音楽的確認と実験的な視点もあったNONMALTのハーモニカプレイヤー太郎の米国短期軟着陸を終了した。朝6時前に起きて空港までお見送り。眠い空港への道のりの最中彼の表情は、音楽家としこの国で自立出来る自分のスキルや才能を確認した喜びと、短期滞在の悔しさが入り混じったような何とも言えない雰囲気を帯びていた気がする。
滞在中は彼の内面は爆裂するプレイとは裏腹に非常にシャイで偏屈な所があるのをしっかり見て知れたのも有意義だった。
どこにいても英語に一歩引いて緊張気味に構える太郎、自分を自分でプロデュースする、準備をする、広報をする、と言った事に関してはマジで能力ゼロである。笑
しかし音楽に振り切ったステ振りが故のそれは、演奏を始めた時に全てどうでもよくなってしまうから凄い。彼がもしアメリカで光の道を探すのなら、割と容易く見つけてしまいそうな音楽の威力に感じる。
従来のハーモニカスタイルに固執しない新しい形を手に入れながらも、時折超ルーツな古典をぶち込んでくるNONMALTとしての彼のプレイは耳の肥えたDCローカルズも目を(耳を)丸くしていた。
東洋人。遠く日本で子供の頃から舶来文化のルーツミュージックを愛し学んだ隙の無い引き出し。長年培った「合奏」に対する反応速度とクリアーな音楽言語。90年代を濃く生きた故の新古混ざり合うダンスミュージック的リズムやフレーズの内包。本質的なエモーショナルを追求する姿勢。ブルースを飛び越えたいと言う思想。
それが1つのハーモニカから放たれる。
要はオリジナリティの塊。
そりゃあ、ね。そんな即興30分も見たらドッヒャーなるよね。この地なら。
試しに昼間ソロやらせたら俺が初めて挑戦したバスキングの6倍もいきなりお布施るわ、ワラワラ多種多様なミュージシャンが寄ってくるわ、FBでは噂されはじめるわ、僅か数日の演奏で俺の5ヶ月に差し迫ってくる感じ。正直ムカついたな〜。笑
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CD絶滅のこの地で付け焼き刃CDRもなんとか売れたし、ライブには路上やネットからお客さん結構来たし、結果としては大成功だったんじゃないかと思う。
ライブではバンドの曲も出来る範囲で2人で即興的に演奏。更に拙い英語のMCで我々は本来4人のバンドであることを告げる。
CDの状況とは裏腹にブンブン増えていくBandcampへのアクセス。波状に存在が知られていく様子と実感、まだ僅かだが確かにツアーを待望している人々。夢でNONMALTのYankee salt suite(音源4曲目)が5分30秒付近から流れたんだよ!なんて細かい感想を伝えてくる奴。4人で動き出す頃には下地が出来ている事を目標にもっともっと動き回って、何でもやっておこうと、更にエンジンがかかるような素晴らしい10日間だった。
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日本語を話す相手がいなくなり、ちょい寂しくもあるが、また集まる日を楽しみに自分を磨くのだ。
NONMALT /
from DC,US and also Tokyo,JP
を目指して。
さあ、次!次!
つづく